自信の無い日常blog

自信が持てない人生ですが、勝つ人生を願います。

介護ブログ 【歩けるのになんで車いすに座らされるの??】

皆様こんばんは!!

millionchallengerです!!

さて、本日も【介護ブログ】となります。

機能向上

少し刺激的なタイトルになってしまったのですが、何も身体拘束みたいな

話では無いので安心してくださいね。

私の働く施設の入居者で、夫婦で入所したN様(奥様)のお話です。

最近の介護の中で、結構珍しい形のエピソードなので皆様にもご紹介させてください。

ある日、車いす使用のN様より、「(筆者さん)、私は歩きたいの。お部屋では普通に歩いているし、車いす

ではどんどん身体が鈍ってしまって嫌なんです。だからシルバーカーで歩いても良いですか?」

という訴えから始まりました。

高齢者に車いすが必要な理由とは??

もちろん下肢筋力低下による歩行障害です。

「歩けない」、「歩行に不安が生じる」といった点から、車いすの必要性が出てきます。

そのタイミングとは、私の施設何かで一番多いのは【転倒】による骨折などの大怪我

から、病院で治療を行って退院した時に、しばらく車いすを使用するというケースです。

この使用期間に、機能向上が認められれば歩行器や手引き歩行などへステップアップ

となりますが、なかなかその他の疾患により機能向上が望めない方は、このタイミングを機に

車いすが常時必要となる事も少なくありません。

車いすの方が歩きたいと言ったら、すぐに車いすの対応は終了するの?

人によるという回答が一番正しいと思います。

認知機能低下により、自身の身体的な状況や疾患などの病状を正常に理解が出来ていない方もいますので、

一概に全員が希望通りになるとは思いません。

今記事の主役の入居者様については、認知機能の低下は無く、ご自身の体の事はしっかりと理解されている方です。

では、こういった判断能力も問題なく、歩行機能の問題も無い方の場合どうするのか?

まずは、介護職員、ケアマネ、看護師で検討会を開きます。

本人の主訴から、歩行を承認するための材料(情報)と、歩行を否認するための材料(情報)を

集めます。

歩行を承認(否認)するための材料とは!?

まずは、認知機能ですね。判断能力がこの方に正常にあるのか?という点です。

普段の生活での言動や行動を記録していますので、そういった記録の中から、情報を引き出します。

今回のケースでは、このN様については認知機能は正常と判断できました。

金銭的な判断や、生活日用品の管理など、しっかり自身で行っているからです。

次に身体機能です。車いすの自操から、シルバーカーの歩行になるので、そもそも歩行が可能なのか

の機能判断を行います。これについては看護師さんがメインですね。

実際に介護職員が付き添って歩いてもらいます。デモ機であるシルバーカーを使って安定して歩行

が可能かどうかを見ていきます。

今回は全く問題がありませんでした。さらに、不測の事態の処理についても、スクワット運動や

バランス運動が可能かどうかについても余裕のクリアでした。

施設職員が見ても問題なければもう歩けるね!!

いやいや、焦ってはいけません。

次は、この方の【身元引受人】の存在です。

基本的に私の施設では、このN様のケアプランに対してN様本人の同意と、身元引受人の同意を

貰っています。ですから、ケアプランに大きく変更が生じる場合は、常に本人様と身元引受人様の同意が

必要なんです。N様の身元引受人はN様のご家族ですので、早速ご家族様へ事のいきさつを

一から説明し、ご本人様の希望を伝えます。そして、施設職員と同じように歩行に対して同意が

頂けるかを確認していきます。

今回のお話では、ご家族様も快諾されましたので、見事同意を得ることが出来たという事になります。

施設も良し、家族も良し。長かったけど、これでやっと歩けるね。

まだなんです。(笑) 最後の難関で、かかり付けの担当医の同意です。私の施設では、毎週往診医が来て

全入居者様の往診を行っています。その往診医にも同様の事を伝え、同意を得ます。

往診医から、N様へは次のような事が話されました。

「歩くことは良いことだし、車いすを手放せるならそれはあなたにとって最高の事だと思います。

でも、【歩くから転ぶ】という事を常に忘れないでくださいね。そして、車いすを手放すことを

選んだのはN様自身という事も常に忘れない事。施設で生活を支えている職員さん全員の心配を背負う

という事。絶対に忘れないでくださいね。」

と仰ってくれました。人の良いお医者さんで、みんなから好かれているのも頷けるセリフでした。

もう壁は無いでしょう?N様は晴れてシルバーカー歩行に!?

はい。無事になりました(笑)

ここまで、周囲を巻き込まなければいけないのが老人ホームの悪い点でもありますね。

【管理】と【責任】を仕事にしてしまうと、こういう時に動作や決定が重くなってしまいます。

でも、それぐらいこの方の歩行という機会は慎重にならなくてはいけないんですよね。

軽はずみに私だけの判断で歩くことを許可し、転倒し大怪我になった時、【管理と責任】を

問われてしまいます。職員=プロとして、見定める事が大事だと改めて痛感したお話でした。

最後にちょっとだけ・・・

良くある話ですが、心配をかける子供に親が、【あなた一人の身体じゃないんだよ?もっと大事にしなさい。】

と諭す場面。今回は、始まりは施設職員と利用者という他人の関係から始まったのですが、

私にはこの家族のたとえ話のような感覚を覚えました。

N様一人の身体じゃない、ご家族も、施設職員も、担当医も心配している。

年齢を重ねた高齢者の方に、これだけの数の人間が真剣に話し合いをする。

私も、将来はN様のように人としての魅力がある生き方をしたいと思いました。

介護のお話、聞いてくださりありがとうございました。

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